訪問介護は介護M&Aで流通の多いサービスのひとつですが、人員基準の充足状況は事業所によって差が大きく、買収前の確認が欠かせません。

人員基準とは: 介護保険の指定を受けて事業を行うために満たすべき、職種ごとの配置の基準です。満たさない状態が続くと、減算や指定に関わる問題につながることがあります。

確認したい主なポイント

1. 訪問介護員等の常勤換算

訪問介護では、訪問介護員等を常勤換算で2.5以上配置することが基準とされています。名簿上の人数ではなく、実際の勤務時間に基づく常勤換算で確認します。登録ヘルパーの稼働実態が乏しい場合、数字上は満たしていても実態が伴わないことがあります。

2. サービス提供責任者の配置

サービス提供責任者(サ責)は、利用者数に応じた配置が必要で、資格要件もあります。特定の1人に依存していないか、その人が退職したら基準を維持できるかは、買収後を左右する重要な確認点です。

3. 管理者の状況

管理者の兼務状況と勤務実態を確認します。前経営者が管理者を兼ねている場合、譲渡後に誰が管理者を担うのかを、買収前に決めておく必要があります。

4. 書類と実態の一致

勤務形態一覧表・シフト・タイムカード・サービス提供記録が互いに整合しているか。書類上は基準を満たしていても、実態が異なれば、運営指導での指摘や報酬返還のリスク要因になります。

買収後まで見据えて

基準は「満たしているか」だけでなく「買収後も維持できるか」が重要です。職員の年齢構成、採用の難易度、離職の兆候まで含めて見るのが、介護事業DDの視点です。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件への助言ではありません。法令・介護報酬・税務・労務に関する事項は改正されることがあり、最終的な判断には弁護士・公認会計士・税理士・社会保険労務士等の専門家による確認が必要です。

介護事業DDについて相談する